超未来の世界

イラスト:黒嶋様

界の概要 / About the World

  「ワープ航法」で隣の星に数日のうちに移動でき、「テラフォーミング」によってたくさんの惑星に人が住むようになった超未来の時代。「核融合発電」で都市には莫大なエネルギーが供給され、多くの惑星では、人々は会社も学校もない自由な生活を謳歌して、自分のこだわりを追求しています。

 家やビルを建てるのも超未来の技術を使えば簡単です。ゲノム編集技術で作り出された特殊な「家の種」や「机の種」「椅子の種」などを使えば、土に植えて育つのを待つだけで、カーボン製の丈夫な製品が「生えて」きます。 また、カーボンナノチューブやグラフェン、形状記憶素材を織り込んだ「スマートテクスタイル」技術により、布も服もぬいぐるみも自在に動き回ります。

イラスト:KAWAKURA様

の生活 / Stellar Life

 超未来の時代に重要な役割を果たすのが、星と星の間を行き交う宇宙船です。ワープ航路の情報通信は細く弱いため、離れた惑星の間で情報や交易品を「繋ぐ」ために、宇宙船が必要なのです。ステラーライフTRPG/ボードゲームではプレイヤーがこれを操ることになります。超未来人なので数人で動かせます。

 宇宙船には 「巨大人型機動兵器」 も搭載できます。ヒトよりはるかに巨大だけれど、宇宙船よりは軽量・小型・高速・重武装・推進剤比率が大きい「フィジカル・アバター」は、身軽に戦場を駆け巡り、宇宙海賊との戦闘などで大活躍します。 操縦は複雑ですが、超未来人なら問題なく1人で自在に操れます。なお、宇宙船の戦闘機であるアバターは「人型」が多いですが、これは、搭乗者の「アバター」であること、どうせ宇宙空間なのでどんな形に作っても違いはあまりないこと、そして人型だとカッコいいことが理由です。これも1つのこだわりなのです。

菌の生命 / Sterile Life

 超未来の人々は、ほとんどの場合ゲノム編集を受けており、「インキュベータ」という孵卵装置の中で育ちます。そして、 ほぼ全員が 子どもの頃に背中にスーパーコンピューター「外接電脳」を接続します。これにより、「電脳」を脳と直結させることで、ネットワークに浮かぶデータを頭の中で「見」たり「聞」いたりすることができ、さらには「第七感覚」に目覚めた者なら、データをデータとして「感じる」ことすらできるのです。

 「発達したAIが人類を無用にし、駆逐する」というのは、サイエンス・フィクションでしばしば見られる設定です。本作でも、全知全能の機械の頭脳である「汎用AI」は人類よりも高い情報処理能力を持ちます。しかし、外接電脳を身に着け、発達したAIと融合したことで、人類もある程度全知全能となりました。軌道エレベーターの最適管理・運用が、誰でも1人でできる時代。ほとんどすべての仕事は、汎用AIでなくてもヒトができる。だから、超未来の今となってもなお、ヒトが宇宙の主導権を握り続けています。

イラスト:KAWAKURA様

の人類 / Starry Life

 この世界では「宇宙人」は見つかっていませんが、ヒトのゲノム編集により、以下のように様々な人類種が誕生しています。

イラスト: なごみはるか様

○ オリジナル – Homo sapiens

 2020年の私たちとほとんど変わらない、ヒトです。ゲノム編集による外接電脳適応化を受けていないため、「旧人」と呼ばれることもある存在です。
 他の人類種と比べると、外接電脳の扱いに難儀することもあり能力が「劣る」こともありますが、体脂肪率が高くスタミナがあり、他の人類種と比べると高い消化能力や栄養保持率を持っており、頑健で忍耐強く、タフで信頼できる存在です。



イラスト: なごみはるか様

○ ニューヒューマン – Homo emendatus

 人類最初の恒星間移民船「ステラーライフ」に乗って、世界で初めて別の惑星への入植を果たした、新たな人類種です。外接電脳との接続性を良くするために頚椎や神経系が発達しているほか、筋肉質で、筋肉の質も良く、長身で高い運動能力を持っています。
  最大限電脳を使いこなすことで非常に高い論理的思考能力を持ち、ロジカルシンキングなら汎用AIにだってそこまで負けません。 未来の人類のキャラクターを遊ぶのに最適です。


イラスト: なごみはるか様

○ ドワーフ – Homo nauta

  超未来ですが「ドワーフ」という種族もいます。「船人」とも呼ばれており、惑星と比べて狭い宇宙船や宇宙ステーションで活動しやすいよう、手先が器用で身長が低めになるようゲノム編集を受けています。
 しかし身体は子どもでも頭脳は大人以上、特に仲間との共同作業に優れており、仕事をする上で信頼できるパートナーとみなされています。宇宙船のマスコット兼運転手役ができるキャラクターです。


イラスト: なごみはるか様

○ ナノボット・シンバイオシス – Homo machina

 超未来の人類は、身体の調節や内分泌系の調整、そしてウィルスや細菌の対策のため、食事などを通じて体内に「ナノボット」(ナノマシン)を取り込んでいます。
 このナノボットを大量に取り込み、身体の一部として共生関係を作れるようにゲノム編集を行ったのが、ナノボット・シンバイオシスです。ナノボットを使って服や布などを操ることで魔法のようなことができます。かっこいいムーブをするならこのキャラクターです。



イラスト:なごみはるか様

○ ソウルシミュレータ – Soul Simulator

 「人類種」はヒトだけに留まりません。ヒトの心を模した機械の魂「ソウルシミュレータ」は、多くの惑星で人権を得ています。 AIと違って本当にヒトと変わらない思考ができ、他の人類種と入り混じって普通の社会生活を送っているため、普通のヒトと区別が付かないほどに人間らしくなっている者が多いです。
 とはいえシリコンの脳は高速で、外接電脳ともシナプスを介さずに接続できるため、他の人類種よりも「優れた」処理能力を発揮することができます。超未来なSFらしい、ロボットPCを作れます。



イラスト: なごみはるか様

○ アニマルインターブリード – Animal Inter Breed

 ゲノム編集技術の発達により、ヒト以外の様々な哺乳類の動物の遺伝子をヒトに組み込んで、半人半獣の人類種も誕生しています。感覚器官や身体能力が極めて優れており、さらに「無酸素真空状態で生身で長期活動する」といった特異な能力も獲得しています。 超人的獣人キャラです
 犬、有翼(コウモリ等)、猫、兎、鯱といったかけ合わせる種族によって特性が大きく変わるため、「親」の選択が重要になってきますし、そのため「子どものデザイン」性も高くなっています。しばしば、「ペットと結婚」して「ペットと子どもを作る」ことで誕生したりします。

未来という時代 / Super future era

 宇宙開拓が進むなかで、「国家」は形骸化しました。かわって銀河の覇権を争っているのは、「4大勢力」やその他の勢力です。 自然主義、人間主義、科学主義、物質主義等の勢力はそれぞれのイデオロギー、「目的」を奉じています。そして「目的」を遂行し勢力を拡大するため、ヒトの可住域の外縁「フロンティア」に「ワープリング」を設置し、テラフォーミングを進める一方で、私掠船として他の惑星に宇宙海賊を派遣したりして、銀河の各地で諍いを繰り広げています。

 自らの正義を信じる「勢力」たちは、それ以外の人にとってはけっこう迷惑な存在です。そして勢力内においても、社会全体で特定の方向を目指すというのは窮屈で息苦しいものです。「フロンティア」から遠い、入植から年月が経った惑星は、やがて勢力のくびきを離れ、「中立的な惑星」になっていく傾向にあります。こういった惑星の人々の多くは「アパシー」の状態にあります。誰もが全知全能だから、自分がいなくても世界は回る。大きな物語を失い、小さな物語をも構築するのが難しい社会。そんな中で人々は、自分たちが執着する対象、こだわりを大事にしながら、 たゆたうように日々を過ごしています。

 物質的な富が行き渡った超未来の社会では、人々は富よりもSNS等での「リスペクト」に価値を見出しています。たくさんの人から注目をもらい、尊敬してもらいたい。そうして、自分の価値を示したい。そのために、労働が必要ない社会においても、人々は自分の「仕事」をしたり、芸術/エンターテイメント作品を作ったりして切磋琢磨しています。

 「ステラーライフ ボードゲーム」では、プレイヤーたちはこの勢力争いの一端を担い、資源を集めて宇宙船を強化しながら、ある惑星の主導権を争うことになります。 「ステラーライフ TRPG」では、PCはいずれかの勢力に加担することになるかもしれませんし、勢力争いに介入し、惑星や平和を守る立場になるかもしれません。

 「ステラーライフ TRPG」では、PCの立場はいかようにでも変えられます。自分で勢力を作ることすらできるでしょう。ここに掲載している「公式の世界観」はただ添えるものです。GMがシナリオを作りやすいように、自由にシチュエーションを設定することは、推奨されます。

 それどころか、このTRPGは8つの「ルール」を持っていて汎用性が高いので、未来っぽい別の世界観であっても幅広く活用することができます。 「銀河英雄伝説」なり「彼方のアストラ」なり、別のSF作品をテーマにして遊ぶことももちろん可能です。 ぜひ、いろんな遊び方を試してみて下さい!

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